書譜(しょふ) 草書
孫過庭(そんかてい)
600年代後半頃

書譜の中に

 王羲之(おうぎし)が旅たつ前、壁に書いた字をその子王献之(おうけんし)が秘かに書き直す、旅から帰った父がこれを見て「出発の時はたいへん酔っていたのだな〜」聞いた息子が内心おおいに慙(は)じた。日頃、父より字が勝っていると思うことは間違いではないか。そもそも身を立て名を揚げるのは父母や祖先の名を世に顕わさんがためである。