お彼岸
彼岸とは煩悩(ぼんのう)を川の流れにたとえ、生死(しょうじ)の境であるこの世に対比した、向こう岸、つまりあの世を意味する言葉とか。仏教語からきていると容易に想像できますが、この春と秋二季の彼岸はインドにも中国にも確かなものはないそうです。
平安時代より始まったとされる彼岸は貴族の間の祝い日であった。そのことは、まもなく発足する越前市ゆかりの紫式部が、源氏物語の中で「・・・彼岸の初にて、いとよき日なりけり」と書いている。
鎌倉時代では「二季彼岸の間・・・殺生を禁断なさるべく(吾妻鏡)」 と微妙にニュアンスが変わって聞こえる。江戸時代からは一般に墓参りの風習となり、以来祖霊をまつる日と定着したようだ。戦後、春分、秋分の日とはなりましたが、「お彼岸」はまだまだ健在のようです。
さてお彼岸には、お供えしたあと、あんこで包まれたお餅、「ぼたもち」を食べる風習があるようです。春は牡丹の花が咲くので、ぼた餅、秋は萩が咲く、それで「おはぎ」って聞いたような。同じ食べ物を言い分け、しっかり季語が入っているのはいいですね。
日本には「花札」という遊びがある。小さい頃よく遊びました。四季折々の花木が描かれとてもきれいだ。1月は松で12月は桐だったような。トランプやマージャンにすっかり取って変わられたと思っていたら、今ではゲームが全盛。日本に昔からあるものには、やさしさと情緒があるような。昔の人は自然を生活に取り込むのがじょうず。彼岸花を眺めながら、勝手にそう思う今日はお彼岸。
追記・・・白い彼岸花を始めて見ました。
いろんな色の彼岸花があるんですね。(2005 9/29) |