雁塔聖教序 (がんとうしょうきょうじょ) 楷書
ちょ遂良(ちょすいりょう)
596〜658

 書は人を作ると聞いたことが、もしそうであるなら、それは臨書によってであると思う。自分の字を否定するということは自己の我を捨て去ることでもあり、苦痛が伴う。繰り返すうち、知らず我を張らない、人の話を聞ける素直な心が出来上がっていくのではないか。「我」とはやっかいなものだ。