横書き


花筐




大迹の皇子の当時に

かたみに植ゑし花筐

千代へし今も花の香は

教えの庭にかをるなり

学びの子等のいそしみて

研く心の怠らず

皇子の恩恵を思ひなば

ともに挿頭せよ

この花を






たき木ははいとなる

さらにかえりてたき木と

なるべきにあらず

かのたき木 

はいとなりぬるのち

さらにたき木と

ならざるがごとく

生も一時のくらゐなり

たとえば 冬と春のごとし

うおの水をゆくに

ゆけども水のきはなく

鳥そらをとぶといへども

そらのきわなし

人の悟をうる

水に月の   

やどるがごとし

月ぬれず

水やぶれず




太閤秀吉は

自ら舞ったといいます

伝統のもつこころは

長い時空を

かけて受け継がれ

鼓と笛の音色

自然の中に

溶け込むとき

鳥もさえずりをやめ

木々は耳をそばたて

生けるもの全てが

こころを一つに

静と動の

おりなす世界

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