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成上り(なりあがり)

 太郎冠者は、清水(きよみず)に参籠する主人の太刀を預かって共をするが、不覚にも眠ってしまう。その隙に都のすっぱが、太刀を青竹とすり換えてしまう。翌朝目を覚ました冠者は驚きあわてるが、青竹を隠し持って帰る道中、主人に「嫁が姑、小犬が親犬、渋柿が熟柿、山芋がウナギになるのを世上で成り上がりという」と話し、主人の太刀もこのように青竹に成り上がりましたと示して叱られる。太郎冠者のとぼけた話が聴きどころ。
(参考・平凡社・能・狂言辞典)