舞囃子・盛久(もりひさ)あらすじ 戻る


 平家没落の後、主馬の判官盛久は丹後の成相寺に忍んでいたが、源氏に捕へられ、土屋三郎に護られ関東へ送られることとなった。盛久は土屋に申し入れ、京の清水観世音へ暇詣でをし、都を後に鎌倉へ辿り着いた。土屋にいたわれつつ、読経の毎日であったが、ついに落命の日来たり。左に金泥の御経、右に念珠で身をつくろい、武士に守られ引かれるは油井ヶ濱。
 盛久、今はこれまでと静かに念仏唱えるその時に、西方より光明飛来し太刀取の振り上げし刀を打ち折る不思議。その時、頼朝公急使により盛久の赦免が伝えられる。観世音の霊夢により頼朝公赦免をなし、盛久悦び祝いの酒宴で舞をまうが、長居は恐れありと暇をつげ都へ帰っていった。
(参考、宝生流謡本)
舞囃子とは、能「盛久」の見せ場を凝縮したものです。