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能・土蜘(つちぐも)あらすじ
土蜘

 病に伏せる源の頼光は、召使小蝶の持って帰った薬で静養しようとするが、心は勝れず、苦しみの前に、この上は死を待つばかりと悲哀に沈んでいた。夜半誰とも知らない者が枕元に忍び来て、頼光めがけ多くの糸を繰り出し捕らえようとする。頼光直に膝丸の名刀を抜き払い斬りつけ、化生の者を追い払った。駈けつけた人々が、血潮の跡をたどり葛城山にはいり、岩窟内にひそむ化生の土蜘を発見し、これを斬り伏せた。人々は万歳をつげ悦び都へ帰って行った。(参考、宝生流謡本)