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蚊相撲(かずもう)

 大名が新しい召使を抱えようと、太郎冠者に探しに行かせる。そこへ、都に上り人の血を吸うため、人間の姿になった江州守山の蚊の精が通りかかり、正体に気づかない太郎冠者は蚊の精を連れ帰る。新しい召使は相撲が得意と聞き、喜んだ大名は早速取らせて見たいと思うが、相手がいないのでやむなく自身で相手をすると、蚊に刺されて目を回してしまう。蚊の正体に気づいた大名は、勝つためにあるものを持ち出すのだが・・・。
 人間である大名と蚊の精が相撲をとるという、何とも奇想天外な作品です。大らかな大名と、蚊の特徴がデフォルメされた蚊の精の動きにご注目ください。
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樋の酒(ひのさけ)

 主人が太郎冠者に米蔵、次郎冠者に酒蔵の番をするよう言いつけて出かける。次郎冠者が早速酒蔵の酒を飲み始めるので、太郎冠者はうらやましくて仕方がない。そこで次郎冠者は、酒蔵から米蔵へ樋を渡して酒を流し、太郎冠者にも飲ませることに成功する。すっかり調子に乗った二人は・・・。
 本舞台と橋掛かりをそれぞれ蔵に見立て、能舞台ならではの構造を上手く活かした狂言です。樋から酒を飲む場面はもちろん、にぎやかな狂言小舞がいくつも登場する酒宴も見どころです。