トップへ戻る ECHIZEN HANAGATAMI-Takigi Noh

水掛聟みずかけむこ

日照りの夏、舅(しゅうと)が自分の田を見廻りにくると水がない。ところが隣の聟(むこ)の田には水がなみなみとあるので、舅は堰(せき)を切って水を自分の田に引き込む。次に聟がやってきてこれをみつけ、堰を切って自分の田に入れる。翌日、自分の田に水がないので、舅は再び堰を切って自分の田に水を入れ、番をしていた。そこに聟がやってきて、水を自分の田へ引こうとするので舅は文句をいい、とうとう舅と聟が喧嘩をはじめ、鋤鍬(すきくわ)を使った水や泥の掛け合いに発展する。父と夫の喧嘩騒ぎを聞いて駈けつけた妻は、つかみ合いの喧嘩になった二人から助勢を命じられ、父と夫の板挟みになって迷いながらも結局夫に味方して舅を転ばし、夫婦仲良く帰っていく。
戻る